事業者向けイーサネット スイッチおよび IP ルーター市場が成長中
調査会社 Infonetics Research の報告書によると、サービスプロバイダ向けルーターおよびスイッチ製品の全世界における2006年通期売上は96億ドルに達したという。2005年の72億ドルに比べると33%の増加だ。Infonetics は、この成長の牽引役を通信事業者向けのイーサネット スイッチおよび IP ルーターとしており、2010年には全体の市場規模が130億ドルまで拡大するとの予測を示した。
通信事業者向けイーサネット スイッチ分野が成長する一方で、マルチサービス ATM スイッチ分野は売上規模の減少が続いている。Infonetics の調査によれば、2006年の ATM スイッチ売上高は2005年と比較して32%下落し、13億ドルになったという。
ATM からイーサネットおよび IP への移行は、世界中のサービスプロバイダ向けルーターおよびスイッチ売上成長要因の一部だが、Infonetics 共同創設者兼主席アナリストの Michael Howard 氏は取材に対し、この展開はいくつかの要素が重なって起きたものだとの見方を示した。
「ルーターの成長は、ネットワーク帯域幅使用量の増加とほぼ一致する。誰もが職場でも、自宅でも、娯楽でもネットワークを使用している。帯域幅 (の使用量) でみると、動画トラフィックが著しく増えており、この傾向は今後さらに強まる一方だろう」と Howard 氏は述べる。
特にブロードバンドの普及は、通信サービスプロバイダのイーサネット移行に拍車をかけている。Howard 氏は、DSL/ケーブル/光ファイバといった種類を問わず、ブロードバンド配備環境では、トラフィックをまとめるためにイーサネット スイッチおよび IP ルーターを用いると説明した。
Howard 氏はまた、現在世界的に多くのサービスプロバイダが IP 環境への移行計画を進めていると指摘した。サービスプロバイダ各社は、通信サービスの完全 IP 化を目指しており、この変化の中心に通信事業者向けのイーサネット スイッチが存在すると述べた。