2007年3月19日月曜日

CIA元工作員涙の訴え、身元漏えい「米政権は軽率」

CIA元工作員涙の訴え、身元漏えい「米政権は軽率」

米中央情報局(CIA)工作員の身元漏えい事件で、ブッシュ政権高官によって報道機関に身元を暴露された元工作員バレリー・プレームさん(43)は16日、下院の政府監視・改革委員会で証言し、「ホワイトハウスと国務省は軽率かつ無責任に私の名前と身元を悪用した」と情報工作の不当性を訴えた。
 プレームさんは事件発覚後、抗議声明を読み上げたことがあるが、公の場で質疑に応じるのは初めて。90分間の証言は多数のカメラに囲まれた一大イベントとなった。
 証言でプレームさんは、「工作員の身元など機密情報は、政治やイデオロギーと無縁であるべき」と強調した。夫のジョゼフ・ウィルソン元駐ガボン大使が、フセイン政権の大量破壊兵器計画の存在に疑問を投げかける報告をまとめたのに対し、ブッシュ政権がその信用性を失墜させるため、意図的に妻の身元を漏えいしたとして、「機密の政治利用」を批判したものだ。