SAP、CeBIT で相次いで新製品を発表
企業向けソフトウェアの大手 SAP (NYSE:SAP) は15日、同社の原点と言えるサプライチェーン分野で、企業による製品の追跡/認証を支援する一連の製品を発表した。発表はドイツのハノーバーで開催中の『CeBIT 2007』(3月15日-21日) で行なわれた。
SAP が発表したのは、製品追跡/認証 (PTA) アプリケーションとオブジェクトイベントリポジトリ (OER) だ。これらの製品を利用すると、企業は RFID などの電子タグからのデータをまとめ、そのデータを統合業務パッケージ (ERP) やその他のビジネスアプリケーションに連係させることが可能となる。
こうした技術を組み合わせることによって、企業は自社が生産し配送した製品を追跡、認証できるようになる。その製品を自社内で管理している間だけでなく、取引相手に引き渡した後でも管理が可能だ。
PTA と OER の販売開始は2007年第2四半期となる予定だ。
SAP はまた、『Automated Export System』(AES) も発表した。これは、関税申告を2009年7月までに電子化することを求める EU の新しい規制に、欧州の輸出企業が対応できるよう支援するスタンドアロン型のアプリケーションだ。
さらに SAP は、同じく CeBIT の場で、1月のアナリスト向け電話会見で発表した中規模企業市場向け新製品『A1S』(開発コード名) のロードマップを明らかにした。 1月の時点で、SAP の CEO (最高経営責任者) Henning Kagermann 氏は、オンデマンド配送モデルに適した新しいコードベースと、中規模企業にとって魅力ある柔軟な価格体系を A1S の特長として挙げていた。また、販売開始時期については、2007年第1四半期の終わりごろになるとしていた。
15日の発表で、Kagermann 氏は A1S の市場展開を数段階に分けて行なうこと、および15日当日から SAP が選んだ複数の顧客企業で製品の試験運用を開始することを明らかにした。A1S はコードベースだけでなく、ビジネスモデルもこれまでにないものであるため、今までのような発売方法を採用せず、ベータテストを行なってもらう顧客を次第に増やすなど、段階を踏んで提供を開始すると、同氏は説明した。