米商務省、デジタル放送移行に備えた援助プログラム実施要項を発表
米国では2009年2月17日以降、デジタルテレビ放送に完全移行するため、アナログテレビで放送を見るためには、デジタルコンバータが必要となる。この移行支援策の1つが、消費者のデジタルコンバータ購入を援助するクーポンプログラムだ。
米商務省は12日午前、このクーポンプログラムの実施要項を発表した。これは米連邦議会のデジタルテレビ移行計画の一環だ。米国では、放送事業者のデジタルテレビ移行によって空きが出るアナログ放送用の周波数帯を、競売を通じて無線ブロードバンド プロバイダに売却することになっている。
クーポンプログラムは2008年1月から開始し、米国の全世帯が対象となる。1世帯あたり取得できるクーポンは2枚までで、1枚あたりの援助額は40ドルだ。クーポンの申し込み期限は2009年3月31日までとなっており、利用有効期限は発行日から90日だ。なお、デジタルコンバータ1台につき、利用できるクーポンは1枚に限られている。
米商務省の電気通信情報局 (NTIA) は、このクーポンプログラムのために9億9000万ドルの資金を準備している。商務省の情報通信次官補 John Kneuer 氏によると、初期予算を使い果たした場合、さらに5億1000万ドルを追加することになっているが、追加分については、電波放送以外のテレビ視聴手段を持たない世帯だけが対象になるという。
NTIA は、米国の1億1500万世帯のうち、無料の電波放送しか視聴できない世帯の数をおよそ2000万世帯 (17%) と推計している。
現在、デジタルコンバータの価格は1台あたり50ドルから60ドルになる見通しだ。
消費者によっては、デジタルチューナ内蔵テレビやデジタルチューナ付き DVD プレーヤを購入するため、Kneuer 氏は実際に必要となるクーポンの数について、「はっきりしない」と認めた。クーポンによる購入援助対象になるのは、基本的な機能しか持たないデジタルコンバータのみで、テレビなど付加機能が付いたものは対象にならない。
NTIA はまた、援助対象となるコンバータの製造業者と販売業者向けのガイドラインも提示した。なお発表によると、このクーポンは電子的に追跡が可能で、固有の番号を持つため、店頭の POS 端末で適用確認が可能という。