AT&T、グローバル IP ネットワークサービスをさらに拡大へ
AT&T (NYSE:T) は13日、新たに7億5千万ドルを同社のグローバルなインターネット インフラストラクチャに投資すると発表した。
この動きは、子会社 Cingular Wireless の強みを活かして IP ベースのネットワーク サービス群を提供するために、同社がこれまでよりさらに大胆に取り組んでいくことを示すものだ。
AT&T によると、この計画には、多国籍企業の顧客に提供している同社のグローバル ビジネス向け VPN、音声通話、およびセキュリティサービスを拡大、強化するための構想が200以上含まれているという。
「これは企業向け市場への AT&T の投資であって、それほど驚くようなことではない」と、金融調査会社 Stifel Nicolaus のアナリスト、Chris King 氏は取材に対して語った。
今回の投資の主要な目的は、AT&T のグローバル IP ネットワークを拡大するとともに、より多くのネットワーク接続オプションを提供することだ。同社によると、今後は中国とインドを含むアジア太平洋地域、中東、およびラテンアメリカなど、高成長の市場に重点を置く計画だという。一方、フランス、ドイツ、イギリス、およびカナダなどの成熟した市場でもネットワークの拡大に取り組むとしている。
AT&T はまた、2007年末までにインターネット データ センター (IDC) を世界中の38か所に拡大する予定だ。カリフォルニア州、バージニア州、アリゾナ州およびイギリスにある既存のセンターの能力を拡大しつつ、ニュージャージとニューヨークにまたがる地域、およびカナダに新しいセンターを開設するという。
これらのセンターには、子会社の USinternetworking と BellSouth が持つ4か所のセンターも含まれ、今後は USinternetworking のアプリケーション ソフトウェア管理サービスを利用して、管理型のホスティングサービスを新たに提供していく。
さらに、Wi-Fi、DSL、Ethernet、および衛星通信の技術をさらに展開することによって、企業のグローバル IP ネットワークへの接続を支援する。
今回の発表によると、同社は2007年末までに、人工衛星および長距離回線を利用したアクセスポイントを51か国に、DSL のアクセスポイントを34か国に、Ethernet のアクセスポイントを31か国に展開する計画だという。
また、同じ2007年末までに、ベトナム、パキスタン、サウジアラビア、マレーシア、モロッコ、およびインドを含む155以上の国々において、AT&T のグローバル IP ネットワークにマルチプロトコル ラベル スイッチング (MPLS) ベースでアクセスできるサービスを提供する予定だ。