2007年3月14日水曜日

米議会、大学で横行する著作権侵害に厳しい態度

米議会、大学で横行する著作権侵害に厳しい態度

米議会は8日、大学における違法ダウンロード経験者の割合が50%を超えるとの報告に業を煮やし、大学当局がこれ以上看過するなら、議会がなんらかの手段をとると警告した。
Howard Berman 下院議員 (民主党、カリフォルニア州選出) は、多数の大学が米会計検査院 (GAO) 実施の大学における著作権侵害調査に対して協力を拒否したと非難し、この問題を全く無視している大学が多いと述べた。
下院知的財産小委員会の委員長を務める Berman 議員は、「残念ながら、多くの大学が著作権侵害を見て見ぬふりをしてきた」と公聴会で述べ、大学関係者を難詰した。「現行法では、大学に法律を遵守させるに足るインセンティブがない」
下院司法委員長 John Conyers 下院議員 (民主党、ミシガン州選出) は、大学における著作権侵害が今もって「広く蔓延しており」、「ほとんど、あるいは全く対策をとっていない学校が多すぎる。これは容認し得る対応ではない」と付け加えた。
リッチモンド大学の Intellectual Property Institute によれば、大学生の半数以上が、音楽や映画のファイルを不法にダウンロードしており、さらに調査会社 NPD の報告によれば、大学生がピアツーピア (P2P) ファイル交換サービスで不法にダウンロードする音楽の数は、大学生以外の人々がダウンロードした数を超えているという。
下院知的財産小委員会では、Sheila Jackson-Lee 下院議員 (民主党、テキサス州選出) が、大学側は十分な対応をとらなかったと認めたほか、Adam Schiff 下院議員 (民主党、カリフォルニア州選出) は、議会が学生による窃盗について、大学の法的責任をより強く求める可能性を示唆した。
また同小委員会の Ric Keller 下院議員 (共和党、フロリダ州選出) は、厳格な警告声明の中で次のように述べた。「この問題に真剣に取り組もうとしない大学には、鉄槌が迫っている」