米議会、大学の著作権侵害対策を支援する法案の審議へ
Ric Keller 米下院議員 (共和党、フロリダ州選出) は先ごろ、P2P を通じた音楽や映画ファイルの違法な流通に関して、米国の大学当局が「真剣に」取り組まなければ「鉄槌が待っている」と警告していた。しかし、同議員が27日に提出した法案は、鉄槌ではなく金銭的な支援を大学に与えようというものだ。
同議員が提出した法案『Curb Illegal Downloading on College Campuses Act of 2007』(H.R. 1689) は、米教育省の助成金利用目的に著作権侵害対策費も認める法案で、学校側が対策ソリューション購入を支援してもらうため、助成金を申請できるようになる。
「大学キャンパスにおける音楽および映画の違法ダウンロードは、帯域を大量に消費し、ウイルスの危険性にさらすことで、大学のコンピュータ ネットワークに害を与えている」と Keller 議員は声明で述べた。
こうした議論の背景には、大学当局の学内における著作権侵害の防止対策について、非難が高まっているという状況がある。米議会や音楽業界は、大学における著作権侵害がひどい状態にあると主張している。大学内での著作権侵害に対し、数年にわたって訴訟が起こされているにもかかわらず、リッチモンド大学の Intellectual Property Institute によると、大学生の半数以上が音楽や映画を違法にダウンロードしているという。
米議会が8日に開いた公聴会の席上で、米国大学協会の副会長 John Vaughn 氏は、著作権侵害防止の面で大学側が困難な状況に直面していると証言し、数ある問題の1つは費用だと語った。同氏によると、推奨されるフィルタ技術1つを配備するにも、初期費用として100万ドル以上、さらに年間のライセンス料金が約25万ドルかかるという。
Keller 議員は次のように語った。「私が提出した法案は、コンピュータ ネットワークにおける違法行為を防止する革新的な技術の調達に充てるため、大学に助成金の申請を認めることで、学校側が問題解決の輪に加わるよう促すものだ」