2007年3月11日日曜日

Thunderbird 2.0 が3月末に正式リリース、Gmail との統合が容易に

Thunderbird 2.0 が3月末に正式リリース、Gmail との統合が容易に

Mozilla Japan は9日、メールクライアント「Mozilla Thunderbird」の最新版、「Mozilla Thunderbird 2.0」に関する製品説明会を開催した。RC1は来週後半、正式版は3月末に提供される予定だ。
Thunderbird 2.0は、メッセージ・フォルダ管理機能、Web メールや RSS リーダーの統合、検索機能、セキュリティ機能などをはじめとして、現行の1.5から大幅な機能向上を遂げている。今回の説明会では開発当初より搭載予定だった機能の多くが紹介された。
・タグ付けやフォルダ切り替え、表示履歴が特徴のメール閲覧・管理この製品でメッセージやフォルダを閲覧・管理する上で特徴的な機能は、「タグ」によるメッセージの整理と、表示フォルダを選べる「フォルダビュー」、そして Web ブラウザの挙動を実現した「メッセージの表示履歴」だ。
タグ機能は Blog や写真共有サイト、ソーシャルブックマークなどでおなじみの整理方法だが、Thunderbird 2.0では好きなキーワードをメッセージに割り当てて、分類や検索に役立てることができる。ユーザーは自由に作成したタグを好きなだけメッセージに付けられる。これまでも同様の機能として「ラベル」があったが、これは1通のメッセージにつき1つだけしか付けられない上に、その種類も5つしかなかった。
フォルダビューは、多くのフォルダを使ってメッセージを管理しているユーザーに便利な機能だ。従来のフォルダ管理では、目的のメッセージを探す以前に、まずそのメッセージが含まれているフォルダを探し出さなければならなかった。フォルダビューを用いると、未読メールが含まれているフォルダ、お気に入りのフォルダ、最近使ったフォルダを分けて表示することができる。仕事で常に使うフォルダをお気に入りに入れたり、メルマガ受信用のフォルダのように常に表示しておく必要がないものを一時的に隠しておくことができる。
さらに Web ブラウザのツールバーに表示されている「戻る」アイコンを搭載したことで、メッセージの表示履歴を閲覧することができるようになった。ツールバーの履歴アイコンをクリックするだけで、直前に選択していたメッセージを表示させることができる。フォルダをまたいで直前に見たメッセージを探すのは特に面倒な作業だが、この機能ではフォルダをまたいだメッセージも表示させることができる。
新着メッセージの通知は改良が加えられた。これまではメールを受信したことのみ通知されたが、Thunderbird 2.0では 「件名」「送信社名」「本文の一部」がポップアップでデスクトップに表示される。
・Gmail と統合可能、検索機能も大幅強化検索機能も大幅に強化されている。従来の検索に加えてタグ検索が可能になったほか、メッセージ下部にメッセージ本文を検索できる検索バーを統合し、Firefox の「ページ内検索」と同様の操作感でインクリメンタル検索を実行できるようになった。検索キーワードに合致した本文内の単語はハイライト表示される。
「検索フォルダ」機能は、特定の件名やタグなどを検索条件としてフォルダに設定しておくと、その条件に合致したメールを受信次第、自動的に収集してくれる機能。例えば、件名に「至急」と記載されたメッセージや、「To Do」タグが付けられたメッセージを、RSS リーダーのような感覚で集められる。
上記の管理・検索機能は フィードにも適用することができる。Thunderbird 2.0では RSS リーダー機能が統合されているため、「お気に入りフォルダ」に設定したり、タグによる整理・検索など、各フィードをメッセージと同様に分類・管理できる。
また Web メールとの統合も可能で、「Gmail」や「.Mac」などのセットアップを簡単に行える。Gmail を受信する場合は、Web メールの設定を行う「アカウントウィザード」を開いて「Gmail」を選択、Google のアカウントとパスワードを入力するだけで設定が完了する。メッセージの分類用マークを「スター」に変更したり、メッセージをスレッド管理するなど、一部 Gmail と同様のインターフェイスを利用することも可能だ。

・フィッシング詐欺メールを繰り返し警告セキュリティ機能としては、フィッシング詐欺メール警告機能、学習型メールフィルタを備えている。
メッセージにフィッシング詐欺の危険性がある場合は警告バーを表示し、そのようなメールの本文に記載されている URL をクリックしてしまった場合にも警告ダイアログを表示してユーザーに注意を促す。デフォルトのブラウザを Firefox に設定しておくと、さらに Firefox のフィッシング対策機能も併せて利用できる。
学習型メールフィルタは、すべての新着メッセージを解析し、自動的にフォルダに振り分けたり、削除を行う。企業や ISP で提供される迷惑メールフィルタとも併用できる。
これらのセキュリティ機能をアップデートする自動更新システムは、更新を差分データとして提供するため、モバイル環境でも短時間でダウンロード可能となる。
そのほか、ツールバーやテーマのカスタマイズ、Firefox と同様のアドオンマネージャーによる拡張機能の追加など、Mozilla の製品特有の柔軟性を持っている。