IBM、SOA に仮想化を導入するシステムを発表
サービス指向アーキテクチャ (SOA) に仮想化技術を取り入れれば、企業はより効率よくコンピュータ リソースを活用できるということは、ここ数年、IT アナリストたちの間で言われてきた。
IBM (NYSE:IBM) は15日、同社の『System p』サーバーの仮想化機能と SOA 用ミドルウェアを結びつけることにより SOA に仮想化を導入することを発表した。ハードウェアおよびソフトウェアをパフォーマンスよく運用し、維持管理の労力を軽減できるように顧客を支援することが狙いだ。
仮想化により、IT 管理者は複数のソフトウェアを1台のマシン上で運用することが可能になる。
IBM の System p サーバーは仮想化に対応しており、1台のマシンを複数のパーティションに分割し、パーティション毎に異なる OS やさまざまなアプリケーションを動作させることができる。これは、高い処理能力が必要なときに、顧客が処理リソースを再割当するのに役立つ。
SOA は、分散コンピューティングパラダイムの1つで、さまざまなサービスやソフトウェアの再利用を可能にすることで、コンピューティングの効率化を図る。このため、SOA に仮想化を導入することは筋の通った選択だ。だが、だからといって導入が容易というわけではない。
IBM は、パーティションへの処理リソースの再割当をオンザフライで行なうことで要求のピーク時に対応できるようにするため、『System p Configurations for SOA Entry Points』の提供を開始する予定だ。System p サーバーは、1台で IBM の UNIX 系独自 OS『AIX』と Linux を同時に運用する。
IBM の Systems & Technology Group の System p サーバー担当副社長 Scott Handy 氏によると、システムを継続動作させるための障害対策プログラム『High-Availability Cluster Multiprocessing』(HACMP) もオプションとして提供する予定だという。
System p Configurations for SOA Entry Points は、System p サーバーと同社の『WebSphere』『Tivoli』『Information Management』といったソフトウェアとを統合し、顧客やビジネスパートナー向けの行き届いたリファレンスアーキテクチャを含んだ形で、主用途別に5種類の構成が用意される予定だ。
System p シリーズでのこの試みが成功すれば、『System x』『System i』『System z』などの各サーバーシリーズへの展開も考えられる。