BSA が違法コピーソフト販売の5グループを提訴
Business Software Alliance (BSA) は、違法コピーソフトウェア利用の弊害を説く啓発活動を行なう一方で、12日、違法コピー販売者には厳しい姿勢で臨む方針を明確に示した。
BSA は欧州および米国において、違法コピーのソフトウェアをオンラインで販売していた5つのグループを提訴した。これら5グループの活動拠点は、英国、オーストリア、ドイツ (2グループ)、米国ペンシルベニア州となっている。
BSA は、まずドイツで Adobe Systems (NASDAQ:ADBE) のソフトウェアのコピーを販売していた3つの Web サイトを提訴した。このうちの2つについて BSA は、裁判所の仮差し止め命令を勝ち取り、違法販売の証拠を掴むために、BSA がサイトのオーナーの資産を捜索する権利を得た。
また3つめのサイトについて BSA は、オーストリアの裁判所に訴状を提出した。問題のサイトは、運営はドイツだったが本拠をオーストリアに置いていたからだ。
英国のグループが運営する Web サイトは、Autodesk (NASDAQ:ADSK) のソフトウェアのコピーを販売していた。また米国ペンシルベニア州で活動していたオンライン販売業者は、Adobe、McAfee (NYSE:MFE)、Microsoft (NASDAQ:MSFT)、および Symantec (NASDAQ:SYMC) のソフトウェアを違法販売する20の Web サイトを運営していた。
BSA が講じた法的措置はすべて、刑事ではなく民事訴訟だったが、迅速な成果が出ている。
BSA のソフトウェア ライセンス実施担当ディレクタ Jenny Blank 氏は取材に応じ、「問題のサイトはすべて、継続は無理だと判断して自発的に閉鎖した」と話した。
BSA の違法コピー撲滅に向けての施策は、訴訟を起こすだけではない。その1つに、違法コピーがはびこっている国の政府への啓発活動がある。地下経済が拡大するのを放っておくよりも、著作権を保護して得られるもののほうが大きいという事実を理解してもらおうという取り組みだ。
Blank 氏によると、この取り組みはうまくいっているが、「道はまだまだ長い」という。