不眠の悩み解消か 睡眠改善薬、新商品が相次ぎ登場
ストレスなどによる不眠症状を緩和する睡眠改善薬市場に今春、新商品が相次いで登場する。5人に1人が不眠の悩みを抱えるといわれ、とくに春先は入社や異動などでストレスがたまりがちな時期。大衆薬市場が伸び悩むなか、各社はヒットした先行品「ドリエル」(エスエス製薬)に続こうと力を入れている。
処方箋(せん)なしで購入できる睡眠改善薬は海外の実績は長いが、国内ではエスエス製薬が03年4月に発売した「ドリエル」が初めて。新規の薬剤として、06年3月末まで3年間の市販後調査が義務づけられ、その間、他社は参入できなかった。
ドリエルの売り上げは初年度から好調で、05年度は27億5200万円。今年3月にソフトカプセルタイプの「ドリエルEX」を発売した。初年度の販売目標は10億円だ。
新規参入では、グラクソ・スミスクラインが3月、「ナイトール」を日本市場に投入。世界15カ国以上で承認され、英国の睡眠改善薬市場でのシェアは8割以上。「不眠症状の発生率は女性が男性より若干高い」(三隅能子シニアブランドマネージャー)とし、ターゲットを25~34歳の仕事をもつ女性に設定。CMには、女優の川原亜矢子さんをモデルに起用する。
さらに、大正製薬は2月から一部で先行販売中の「neoday」を3月下旬に発売予定。資生堂子会社の資生堂薬品も4月参入し、プライベートブランド(PB)商品も登場するとみられる。
参入ラッシュは、大衆薬市場の縮小傾向が背景にある。大衆薬の市場規模(店頭ベース)は01年の約1兆2500億円に対し、05年は約1兆1600億円とみられる。