Cisco、企業向け Web コラボレーションの WebEx 買収へ
Cisco Systems (NASDAQ:CSCO) は15日、オンデマンド型コラボレーション用アプリケーションの WebEx Communications (NASDAQ:WEBX) を買収することで両社が合意に至ったと発表した。Cisco は株式公開買い付けによって WebEx の全発行済み株式を取得する予定で、買収総額は現金32億ドルになる見通しだ。今回の買収には、急成長を遂げる Web ベースのコミュニケーション市場において、より大きな力を得る狙いがある。
Cisco が示した公開買い付け価格は、WebEx 株1株あたり57ドルというものだ。これは、WebEx 株の14日終値46.20ドルで計算すると、23%ものプレミアムを乗せた金額で、Cisco が Web コラボレーション市場の潜在的な可能性を真摯に捉えていることがうかがえる。
WebEx は、インターネットを通じたリアルタイムの Web 会議を実現するソフトウェアを、有料サービスとして販売している。また同社は、ユーザー同士が文書や作業空間を Web ベースで共有し、生産性を向上するためのソフトウェアも提供している。
Cisco の最高開発責任者 Charles Giancarlo 氏は、声明の中で「ネットワークはプラットフォーム」という同社の方針を改めて示した上で、WebEx の技術と各種サービス製品群が、中小企業における共同作業目的のコミュニケーション市場で、Cisco に新たな足場をもたらすと語った。
また、Giancarlo 氏は Cisco の公式 Blog にも投稿し、ビデオ/音声/情報を伴なうインターネットでの共同作業を実現する Web 2.0 という潮流の中で、WebEx の技術は一般消費者の遊びの面ではなく、業務効率化の面で大きな前進をもたらすと述べている。
WebEx 買収手続きは、Cisco の第4会計四半期 (5-7月期) 中に完了する見通しで、WebEx の CEO (最高経営責任者) Subrah Iyar 氏は Giancarlo 氏の直属となる。そして WebEx の契約サービス型のビジネスモデルは、Cisco 開発部門の一部として合流後も引き続き維持する。