ストレージ市場の売上伸び率が鈍化
最新の調査報告が示す内容を見ると、ストレージ市場も経済全体の減速傾向と無縁ではいられなかったようだ。
調査会社の IDC と Gartner が最近発表した報告によると、ここ数年2桁台の成長率を示していたデータストレージ市場では、ソフトウェアとハードウェアともに売上が伸び悩み、2006年第4四半期の成長率はそれぞれ前年同期比3%増と4%増に留まったという。
IDC が12日に発表した調査報告では、2006年第4四半期におけるストレージ ソフトウェア市場全体の売上規模は26億ドルで、前年同期に比べ3.1%増となっている。同市場が前年同期比でプラスの成長率を達成するのは、これで13四半期連続となったが、第3四半期の成長率10.7%から見れば急減速だ。2006年通期の売上規模は98億ドルで、前年比8.3%増だった。
IDC でストレージ ソフトウェアの調査ディレクタを務める Laura DuBois 氏は、保管/複製/ファイルシステム/ストレージ管理のソフトウェアがこの成長を支えていると指摘し、次のように述べた。「過去1年半に渡り、可用性、復旧性、および複数ベンダー製品が混在する環境における情報アクセス性を改善できるソリューションを企業が導入してきた」
ストレージ ソフトウェア市場で大きな割合を占める分野の1つが、データ複製ソフトウェアだ。同分野の売上は、2006年第4四半期に前年同期比で14.4%増加した。規模こそ小さいが急激な成長を見せたのは、データ保管および階層ストレージ管理 (HSM) 分野だ。同分野は前年同期比で25.5%増という成長率を示した。
一方 Gartner は9日、外部コントローラベース (ECB) のディスクストレージに関する調査報告を発表した。同社によると、2006年第4四半期における世界全体の売上規模は、前年同期比3.8%増の43億ドルだったという。2006年通期では、前年比4.1%増の152億ドルだった。
Gartner は調査報告の中で、ベンダー間の吸収合併による市場再編が継続中だと述べている。世界全体の ECB ストレージ市場の売上規模で上位7社が占める割合は、2005年の81.5%から2006年には84.2%に増えた。