2007年3月4日日曜日

デジタルコンテンツの公正使用権を認める法案、米下院で審議入り

デジタルコンテンツの公正使用権を認める法案、米下院で審議入り

米下院において、Rick Boucher 下院議員 (民主党、バージニア州選出) と John Doolittle 下院議員 (共和党、カリフォルニア州選出) は2月27日、合法的に購入したコンテンツの複製を厳しく制限する『デジタルミレニアム著作権法』(DMCA) の条項修正法案を提出した。両議員とも、デジタルメディアの公正使用権を支持している。
両議員が提出した『Freedom And Innovation Revitalizing U.S. Entrepreneurship Act of 2007』(FAIR USE Act) は、消費者がデジタル著作権管理 (DRM) 技術を回避し、家庭内ネットワーク上で著作物を転送する行為を認めるものだ。
同法案では、消費者がコマーシャルや不快に感じる場面を飛ばすために、DRM を回避することも認めている。ただし、DVD の複製を違法とする点に変わりはない。
FAIR USE Act ではさらに、報道関係者や教師、研究者などが、公の関心を集めている著作物にアクセスするため、DRM 技術を回避することも認める。ただし、批評、コメント、ニュース報道、学習、研究を唯一の目的とする場合に限る。
DMCA では、電子的記録物の著作権保護手段を回避する行為がすべて違法となる。また、著作権保護手段の回避を可能にする技術の製造、配布、販売も DMCA は禁じている。
Boucher 議員は声明の中で、次のように述べた。「著作権に関するバランスは、DMCA によって完全な著作権保護に著しく傾き、一般市民の公正使用権が犠牲となっている。FAIR USE Act は、デジタルメディアを購入した消費者が、作品の著作権を侵害しない形で、自分の便宜に合わせた幅広い利用方法を享受できるよう保証する」
また FAIR USE Act では、DRM を回避する電子機器やソフトウェアの製造者に対する損害賠償責任も制限する。ただし、該当技術に著作権を侵害しない用途がある場合に限る。これは、1984年に米最高裁が下した、いわゆる『Betamax』判決を確認するものだ。同判決は、消費者が合法的に購入した著作物について、「公正使用」目的で複製する権利を確立したものだった。