Apple、複数の脆弱性を修正した『QuickTime』の新版リリース
Apple (NASDAQ:AAPL) は5日、複数の脆弱性を修正した『QuickTime』の新版 QuickTime 7.1.5 をリリースした。QuickTime 7.1.5 は Apple の Web サイトからダウンロードできる。QuickTime は、同社の人気ジュークボックス ソフトウェア『iTunes』も利用するソフトウェアで、メディアプレーヤーとしてのユーザーインターフェースを備える。
米国土安全保障省のコンピュータセキュリティ対策機関 US-CERT は6日にセキュリティ勧告を公開し、Apple が QuickTime 7.1.5 で、複数形式の画像とメディアファイル処理に存在した脆弱性を修正したと述べた。
US-CERT によると、脆弱性が存在する QuickTime を用いているユーザーに、細工した画像やメディアファイルを開かせることで、問題の脆弱性を悪用できるという。QuickTime をインストールした環境では、Web ブラウザが同ソフトウェアのメディア形式ファイルを扱う際に QuickTime を呼び出す設定になっている場合が多い。そのため攻撃者は、Web ページを使用してこれらの脆弱性を悪用できる。
細工したファイルで問題が発生する具体的なファイル形式は、QTIF 形式と PICT 形式の画像ファイル、そして 3GP 形式と QuickTime ムービー形式の動画ファイル、さらに MIDI 形式の音楽ファイルだ。
たとえば、QuickTime で MIDI ファイルを扱う場合、細工した MIDI ファイルを開くことにより、ヒープバッファのオーバーフローが起きる可能性がある。その結果、アプリケーションのクラッシュや、任意コード実行を招きかねない。今回のアップデートでは、上述した各形式のファイルに対する検証処理を追加し、これらの脆弱性に対処している。
携帯電話用として一般化しつつある 3GP 形式の動画ファイルについては、細工した 3GP ファイルを開くことで整数オーバーフローが発生し、アプリケーションのクラッシュや、任意コード実行を招きかねない。
なお QuickTime は、『Windows』用と『Mac OS X』用の両方が出ており、Windows 版にしか存在しない 3GP 形式ファイル処理の脆弱性を除き、いずれの脆弱性も両プラットフォーム版に存在する。