2010年には全世界のデジタル情報量が988エクサバイトに
いかにしてデジタル情報の爆発的な増加が、IT 経費節約を試みる企業に新たな問題を投げかけているか論じた報告書がある。これらの問題に、どのように対処していけばいいかを論じた報告書もある。しかしこれまで、今後数年間で情報がどれほど市場に氾濫するかを捉えたものはなかった。
そして調査会社の IDC は6日、今後数年間におけるデータ増加規模を予測した調査報告書を発表した。同調査は情報管理ソリューション会社 EMC の後援によるもので、2010年には市場のデジタル情報量が2006年からおよそ6倍に膨らんで、988エクサバイト (1エクサバイトは1ギガバイトの10億倍) にも達する見通しだという。
IDC によると、2006年に生み出されたデジタル情報量は161エクサバイトだったという。161エクサバイトと言えば、これまでに執筆された書籍の情報量の約300万倍で、さらにこれらの書籍を積み上げると、地球から太陽までの距離およそ1億5000万キロを超える高さの束が12束分となる。
なんともすごい数字だ。
しかし IDC の調べによると、その情報量が2010年まで毎年平均57%の割合で増加して、ついには988エクサバイトに達するという。
IDC は今のところ、とりたてて警鐘を鳴らしているわけではないが、同社 CRO (最高調査責任者) の John Gantz 氏は、Wal-Mart Stores から AT&T、そして小規模な自転車小売店に至るまで、どんな企業も情報を転送/格納/保存/複製するため、いずれはもっと高度な技術を採用しなければならなくなるとの見方を示した。
同氏は取材に応えて、次のように話している。「RFID が作り出す非常に小さな情報パケットから、非常に大容量のビデオ監視ファイルに至るまで、情報の多様性は単一の組織内においても部署によってそれぞれ異なる。すべてのデータ、すべてのパケット、すべての情報単位を同じには扱えない。その結果、おのずとデータを分類し、保存するものと破棄するものを決定する方法に関心が生まれる」
ストレージ技術で言えば、記録密度を高めるにせよ、直接接続型ストレージ (DAS) からストレージ エリア ネットワーク (SAN) にデータ格納方法を移行するにせよ、ストレージ製品ベンダーは情報管理技術の高度化を進め続けなければならない、と Gantz 氏は話す。その理由は、「デジタル世界」の拡大、すなわちデジタル情報量の増加は止まらないからだ。