2007年3月4日日曜日

KDDI と富士通、富士通研究所がモバイル WiMAX 用高効率増幅器を開発

KDDI と富士通、富士通研究所がモバイル WiMAX 用高効率増幅器を開発

2006年5月より、モバイル WiMAX システム(IEEE 802.16e-2005)に適用可能な高効率増幅器について共同で開発に取り組んできた KDDI、富士通、富士通研究所 は、2007年3月2日、高い電力効率をもつモバイル WiMAX 用増幅器の開発に成功したと発表した。
KDDI は、モバイル WiMAX システムの導入に向けて設備費・運用費削減を図るべく、基地局の小型化及び低消費電力化の検討を進めてきた。
特に増幅器は、基地局装置の性能を左右するものであり、高効率化により小型・省スペース化、軽量化、低消費電力化、静音化、高信頼化(メンテナンスフリー化)を図ることができるとともに、電力設備や空調設備などの付帯設備類も小型化、低コスト化できる。
富士通は、富士通研究所で開発・改良した窒化ガリウム HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)デバイスを適用し、高効率増幅回路の最適化設計及び3Gシステムで実績のあるデジタルプリディストーション技術を改良。
これによって、出力電力 25W、動作周波数 2.5GHz 帯で、現行3Gシステムにおける増幅器との比較において、2倍にあたる約30%の電力効率の送信増幅器を試作開発し、実用化に目処を付けた。
この増幅器技術の導入により、屋外基地局装置のサイズ・消費電力を従来と比較し約半減させることが期待でき、設置スペースの大幅削減、バックアップ用バッテリーの小型化が実現される。
また、富士通はモバイル WiMAX を含む移動通信用基地局装置での実用化を進め、2007年からシステムに組み込むと同時にパワーアンプ単体ビジネスにも取り組むという。