Google のユーザーインターフェースで CRM 機能を実現
カスタマイズ可能なオンデマンド Web アプリケーションを提供する Etelos は2月28日、Google のユーザーインターフェースを利用する顧客関係管理 (CRM) Web アプリケーション『CRMforGoogle』の限定的なベータテスト開始を発表した。
限定的というのは、ベータテストが公開形式ではなく、現在ベータ版利用の申し込みを受け付けているためだ。また機能的にも、まだ完全というわけではない。
CRMforGoogle は、カスタマイズ化に対応した Google の検索インターフェース『Personalized Home』に追加できる CRM ツール群だ。Etelos 創設者で CEO の Jeff Danny Kolke 氏によると、同社は既存の自社製 CRM アプリケーションの1つをベースに、Google が公開している API を利用して新機軸の CRMforGoogle を作り上げたという。
Kolke 氏は取材に対し、次のように述べた。「当社はこれまで、他のアプリケーションへの統合を手掛ける小規模な会社だった。顧客企業は、当社のアプリケーションが一般にオープンソースで、開発者が調整できることを理由に当社を選んでいる。CRMforGoogle により、多くのユーザーが馴染みのある場 (Google) で、(CRM) 業務を始められるようにする」
Etelos は CRMforGoogle に、『Personal』『Professional』『Enterprise』という3種類のエディションを用意する。同製品では、連絡先/タスク管理/予定管理などカスタマイズ可能な各種モジュールを利用できる。
CRMforGoogle と Google の Web アプリケーション間の統合だが、現時点では『Google Calendar』と、Web 版生産性スイート『Google Docs & Spreadsheets』の表計算機能との「限定的な統合」に留まっている。しかし、今後これらのアプリケーションとの統合を充実させるとともに、『Gmail』や Google Docs & Spreadsheets の文書作成機能との統合も計画している。また Kolke 氏は、CRMforGoogle と他のシステムとの統合を求める企業向けに、『.Net』『PHP』『Java』にも対応すると述べた。
CRMforGoogle の各エディションは、Personal 版が単一ユーザー向けで、Etelos が配信する広告を掲載する代わりに無料で利用できる。複数ユーザーで業務活動情報やタスク情報を共有する場合は、Professional 版か Enterprise 版が必要だ。Professional 版の料金は1ユーザーあたり月額25ドルで、Enterprise 版の料金は1ユーザーあたり月額50ドルとなっている。なお Enterprise 版では、ソースコードにアクセスできるため、あらゆる側面のカスタマイズができ、さらに顧客自身による運用も含め、任意のホスティング環境を選択できる。Enterprise 版の提供開始は、4月30日の予定だ。