Yahoo! の新広告プラットフォーム『Panama』、順調な滑り出し
Yahoo! (NASDAQ:YHOO) は2月5日、新広告プラットフォーム『Panama』(開発コード名) を立ち上げた。その滑り出しは、これまでのところ順調のようだ。
オンライン調査会社 comScore Networks が26日に発表した調査によると、検索キーワード連動広告のクリックスルー率は上昇しており、該当サイトでの全クリック数に対する連動広告のクリック数の割合も同様に上昇しているという。今回の調査で、新プラットフォームの導入により、堅調な結果が出ていることが示された形だ。
リリース時期が遅れに遅れた待望の新広告プラットフォームは、従来の検索連動広告プラットフォームを大幅に改良したもので、同社の検索サービスを通じて連動広告を掲載できる。検索エンジン業界における競合相手の Google (NASDAQ:GOOG) も、同様の広告サービス『AdWords』を展開している。
comScore の調査では、米国での Panama の正式開始前後で、Yahoo! における検索キーワード連動広告について、そのクリックスルー率の変化を分析した。同社によると、Yahoo! のクリックスルー率は、Panama 開始前の1週間に比べ、開始から2月11日までの週で5%、18日までの翌週は9%上昇したことが明らかとなったという。comScore では、検索キーワード連動広告の全クリック数を全検索回数で割ったものをクリックスルー率としている。
また、同調査によると、該当サイトでの全クリック数に占める連動広告のクリックの割合を測定する「連動広告クリック構成比」においても、Yahoo! はその値を伸ばしているという。全クリック数に占める連動広告クリック数の割合は、Panama 開始前の1週間と比較して、11日までの週が0.5ポイント上昇し10.6%、18日までの週は1ポイント上昇し11.1%となった。
幹部の交代や一部部門の再編など、2006年は Yahoo! にとって激動の年となった。そして今、Yahoo! では、2007年に Panama のもたらす効果に大きな期待を寄せている。
Yahoo! の CFO (最高財務責任者) Susan Decker 氏は、2006年通期の決算を発表する電話会見の中で、Panama の完全導入により、2007年第2四半期からは同社の利益性が改善するだろうとの見通しを示した。反対に、第1四半期は2007年でもっとも成長率の低い時期になりそうだと、同氏は述べている。