Viacom、インターネットテレビの Joost とコンテンツ提供契約
大手メディア企業グループ Viacom (NYSE:VIA) と、放送品質のインターネットテレビ サービス会社 Joost は20日、コンテンツ提供契約を結んだと発表した。
契約に基づき、Viacom は傘下の MTV Networks、BET Networks、ならびに Paramount Pictures のコンテンツについて、Joost のプラットフォームを通じて視聴者に無料で配信する。Joost は、Kazaa および Skype の創設者2人が立ち上げた会社だ。
今回 Viacom は、インターネットにおける新たなビデオコンテンツ配信先を得た形だ。なお同社は先日、投稿動画サイト運営会社 YouTube に対し、MTV や Comedy Central などのコンテンツを含む10万本以上の動画に関して、著作権を侵害していると主張し、該当コンテンツの削除を要求している。
Viacom はこの時、コンテンツ配信に関する「公正な市場契約を YouTube が受け入れるつもりがないことが明らかになった」と述べていた。
なお、Viacom と Joost の契約に関する金銭的な条件は明らかになっていない。
Joost は最近、正式に社名を発表したばかりだ。それまで同社は、コードネーム「Venice Project」としてサービスの準備を進めていた。現在同社は、限定的なベータテストを行なっている。同社のサービスでは、Skype や Kazaa で実績のあるピアツーピア (P2P) ストリーミング技術を使用し、フル画面の放送コンテンツをインターネットで配信する。
調査会社 Forrester Research のアナリストで、Joost のベータテストにも参加している Brian Haven 氏は取材に対し、Joost サービスのユーザーインターフェースについて、成功を収めるに十分な出来具合だと説明した。そして、現時点で唯一不足しているものは、コンテンツだけだと語った。
Viacom との契約は、この問題を解消するはずだ。しかし Haven 氏によれば、Joost を通じて配信する番組として Viacom が選んだラインアップを見ると、Viacom は視聴者が何を求めているかについて、ほとんど理解していないことを示しているという。
「Joost が作り上げたものは素晴らしいと思う。だが全体としてみると、メディア企業が視聴者に見て欲しいコンテンツと、視聴者が実際に見たがっているコンテンツには、大きな認識の違いがあるように思える」と Haven 氏は述べた。