Microsoft が BI 戦略に注力
Microsoft (NASDAQ:MSFT) は、ビジネス インテリジェンス (BI) 性能を広く一般に提供したいと考えているようだ。Microsoft Business Division 担当社長の Jeff Raikes 氏は9日、シアトルで開幕した同社初の BI カンファレンス『Microsoft Business Intelligence Conference 2007』の基調講演で同社の BI 構想を語った。
同氏は、主要 BI コンサルティング企業3社との提携関係拡張、『2007 Microsoft Office system』(Office 2007) のアプリケーションを BI オーサリングツールに変えるための製品の買収、および同社『Microsoft SQL Server』の次世代版『Katmai』(開発コード名) のリリースに関するロードマップを発表して、Microsoft の本気の姿勢を示した。Microsoftは、 Katmai を同社 BI プラットフォーム製品群の基礎に据え、2008年のリリースを予定している。
Microsoft は他の分野同様、BI ツールおよび性能を戦略的に製品に組み込んで、Oracle (NASDAQ:ORCL) 製品に取って代わりたい考えだ。Raikes 氏をはじめ同社幹部が、一番の競合相手である企業を名指しすることは決してなかったが、今日の BI について、先取りした企業が独占する高価で閉鎖的な技術になっているとして非難した。
Raikes 氏は基調講演の Web キャストで次のように述べた。「われわれが強く感じているのは、現在人々は BI にきわめて高額の費用を支払いながら、得ているものはあまりにわずかだということだ。Microsoft はこの現状を変えることに鋭意努力する。わが社の目標は (中略) ビジネスにおける洞察を誰もが手に入れられるようにすることだ」
当然のことながら、Microsoft はこの目標を達成するために、ユーザーあたりの現行価格を徹底的に減額するとともに、BI ツールの使いやすさを大幅に向上させて、「シームレスで完全な BI 製品」を提供していく計画だと Raikes 氏は語った。
Microsoft は、Accenture、Capgemini、および Tata Consultancy Services (TCS) との戦略的提携拡張を発表し、業界からも支持を得ていることを示した。たとえば Capgemini は、2007年末までに Microsoft の BI ツールに関するコンサルタントを、さらに2000人増員して訓練する計画だという。
Microsoft はさらに、SoftArtisans の製品『OfficeWriter』の買収を発表した。同製品は、Office アプリケーション、特に『Excel』および『Word』内での BI レポートのオーサリングを可能にするツールだ。「われわれは、(BI 性能を) Office など一般に普及しているツールに統合することに注力している」と Raikes 氏は述べた。