2007年5月6日日曜日

丸の内、ショッピング街に変身 開業待つ大型ビル続々

丸の内、ショッピング街に変身 開業待つ大型ビル続々

 24万人が働くとされる巨大ビジネス街の東京・丸の内が、ショッピング街としての色彩を強めている。三菱地所が新丸の内ビルディングを4月27日に開業させ、この地区の総店舗面積は二十数万平方メートルになった。これは大型百貨店の3~4店分に相当する。今後も続々と開業予定があるが、他の商業集積タウンとの競争も激しくなっている。
 27日に開業した新丸ビルには連日10万人超が訪れている。丸の内では同社運営分だけで店舗数は740店に増えた。02年に丸の内ビルディングが開業する前と比べ2.6倍だ。「90年代半ばまで休日はシャッター通りのようだった」と三菱地所の社員は感慨深げだ。
 同社はJR東京駅西口に広がる丸の内地区で約3割のビルを所有している。98年から大手町、有楽町を含む丸の内地区約120ヘクタールの再開発に着手。これまで新丸ビルを含め5棟を建て替え、オフィスだけでなく、商業店舗も数多く入居させている。再開発ラッシュに沸く六本木が商業集積を高めているのに対抗するためだ。
 丸の内地区で最大級の商業ビルでもある丸ビルの年間店舗売上高は約240億円(05年度)。新丸ビルは店舗面積が丸ビルより13%小さいが、初年度売上高220億円と強気の目標を掲げる。
 地区内では今秋、さらにホテル「ザ・ペニンシュラ東京」、大丸東京店が増床移転する複合ビル「グラントウキョウノースタワー」、丸井が入るJR有楽町駅前ビルなど、商業施設を備えた大型ビルの開業を控える。
 近隣でも大型施設の開業が続く。3月に開業した六本木の東京ミッドタウンは132店を抱え、来店客の目標は年間3000万人と丸の内のビルを大きく上回る。
 「店舗過剰」との指摘も出ているが、三菱地所は「他の商業施設とはターゲットが異なる。丸の内の回遊性が高まり、相乗効果が期待できる」と強調。「三菱1号館」を10年春には美術館に復元するなど集客増に向けててこ入れをする計画だ。