損保ジャパン・RM、「欧州製品リコール情報」を発行
損保ジャパン・リスクマネジメントは、EU内で製品に重大な危険が発見された場合にEU加盟各国内で共有される「不安全製品の早期警戒システム」の情報について、EC委員会から日本語版使用権を日本企業で初めて取得、その情報を翻訳し「欧州製品リコール情報」を6月から発行する。 これにより同社は、現在「製造物責任に関する企業向け情報提供の会員制度(SJRM PLクラブ)」を通じて提供している「国内製品リコール情報」「米国製品リコール情報」に同情報を加え、日米欧の3極の情報提供が可能となる。 同情報配信サービスは、EU加盟国内で発表されるRAPEX情報を忠実に翻訳して配信するもので、欧州に製品を輸出したり現地生産をする日本企業だけでなく、「改定消費生活用製品安全法」に基づく新たな通報制度に備え、製品安全を模索する日本企業にも参考となる。 発行方法は、毎月1回、RAPEXシステムの前月1カ月分を「欧州製品リコール情報」としてEメールに添付して発送され、会員企業の製品安全関連の各部署に転送される。年会費は、「欧州製品リコール情報」を単独で購入する場合8万4000円(税込み、以下同じ)、PL情報会員およびPL情報ウィークリー会員4万2000円、PL情報ウィークリー特別会員2万1000円。 2006年は、日本において重大な製品事故が相次ぎ、このため、事故の早期通報・公表制度を骨子とした「消費生活用製品安全法」の改定がなされ、本年5月14日から施行される。同法の改定は、欧州の製品安全に対する基本概念を取り入れたもので、欧州の「一般製品安全指令」を参考にしているが、同指令では、安全な製品のみ市場に流通させることを原則とし、重大な危険が発見された場合は、直ちに回収などの必要な措置を講じ、EU加盟各国でその危険情報を迅速に共有化する「不安全製品の早期警戒システム」(RAPEXシステム)が採用されている。現在、各国の政府機関において、「製品リコール情報」の国際間での共有化の動きがあり、同情報はその先駆けとなる。