アメリカでメキシコ人の不思議に答えるコラムが大人気
メキシコ人は、なぜベルの代わりにクラクションを鳴らすの? メキシコのテレビ番組に小人とトランスベスタイトがよく登場するのはどうして? なぜメキシコ人は車を前庭にとめるの? メキシコ人の子どもたちがクリスマスにタマルスを食べるのは、プレゼントの代わりに包みを開けるものが欲しいから? なぜメキシコ人は「違法」の意味が分からないの?
答えが知りたければ、アメリカの週刊新聞20紙以上に掲載されている愉快なコラム「Ask a Mexican!」(メキシコ人に聞いてみよう!)を読んでみるといい。「Ask a Mexican!」は2004年メキシコ系アメリカ人のグスタボ・アレヤーノ記者と南カリフォルニア、オレンジ・カウンティーのローカル紙「オレンジ・カウンティー・ウィークリー」の編集者が始めたコラムだ。
ほんの悪ふざけで始めたコラムが爆発的な人気を呼び、今では東はニューヨークから西はカリフォルニアまで毎週100万人以上の人々が読んでいる。あまりの反響に、アレヤーノは生ラジオ番組をスタートさせたほど。コラムをまとめた本も5月に出版される。
コラムはアレヤーノ自身がアメリカに住むメキシコ人の不思議を挙げ、それに答える形で始まった。「なぜメキシコ人は白人のことをグリンゴスと呼ぶのか」という質問に、アレヤーノは「メキシコ人はグリンゴスをグリンゴスなんて呼ばない。メキシコ人はグリンゴスをガバチョスと呼ぶ」と答えている。アメリカの白人は自分たちがメキシコ人にどのように呼ばれているのかも知らないのか、と暗に匂わせているのだ。
「ほんの冗談のつもりで始めたんだ。アメリカでのメキシコ人に対する冷たい目をジョーク混じりに表現したくてね。怒る人がいっぱい出てくるかなと思ったら、大ヒットしちゃった。でも、まさか、読者からメキシコ人の不思議を質問されるとは思っていなかったよ」
今では、「Ask a Mexican!」宛てに毎週郵便袋いっぱいの質問が届く。いずれも国内でマジョリティーのアングロ系と、急激に増加しているメキシコ系・ラテン系マイノリティーがお互いに対して無知であることを物語る質問ばかりだ。