2007年5月12日土曜日

IBM、データセンターの省エネ対策に年間10億ドルを投資

IBM、データセンターの省エネ対策に年間10億ドルを投資

IBM (NYSE:IBM) は10日、データセンターの省エネ化を推進する取り組み『Project Big Green』に年間10億ドルの予算を割り当てると発表した。データセンターを持つ企業では、膨大なエネルギー消費による運営コストが問題になっている。
IBM はニューヨークで開催した記者会見の席上で、Project Big Green の活動の中には、コンピュータ機器の猛烈なエネルギー消費の抑制を目的とした、新しい製品やサービスの提供が入ると説明した。同社 Systems and Technology Group 担当副社長 Bill Zeitler 氏によると、エネルギー問題に対峙するため、新たなサーバー技術をはじめ、既存の、あるいは強化したサーバー技術を複数用いるという。
IBM にとって Project Big Green は、大量のエネルギーや財源を浪費してしまうエネルギー消費問題に対する最大規模の取り組みだ。調査会社 IDC の調べによると、IT 支出1ドルのうち、エネルギー費用は50セントで、さらにエネルギー費用の増加率は、年間50%ずつ増加していることが明らかになっている。
IBM の Global Technology Services 担当副社長 Mike Daniels 氏は会見の席で、「データセンターのエネルギー危機は、コンピュータの力を求める当社の顧客にとって、事業拡大の妨げとなっている」と述べた。同氏はさらに、多くのデータセンターが能力の限界に達し、事業成長の足かせになったり、設備投資を行なわなければならない状況を作り出していると語った。
Project Big Green ではこうした難題に取り組むため、問題点の診断/より効率的なデータセンターの構築/コンピュータサーバー機器の仮想化/ソフトウェアによるサーバー管理/データセンターの冷却などについて、顧客支援を行なう。
Daniels 氏によると、適切に対策を配備すれば、顧客企業は相当な金額を節約できるはずだという。同氏は、平均的な2万5000平方フィート (約2300平方メートル) の敷地を持つデータセンターの場合、42%のエネルギーを節約できるだろうとの試算を示した。
IBM は顧客企業に対し、データセンターのエネルギー効率を評価するため、効率性査定を提供する。この査定サービスでは、IBM の研究部門 IBM Research が開発した、データセンターの温度分布を3次元的に測定できるモバイル計測技術のほか、熱に関する問題を監察するための熱分析サービスや、データセンターの電力管理を確かめる3次元の仮想空間などを用いる。