2007年7月7日土曜日

米国のブロードバンド普及が減速

米国のブロードバンド普及が減速

米国の消費者の半分近くがブロードバンド接続を利用しているが、高速接続の普及速度は鈍化してきている。そんな調査結果を、Pew Internet & American Life Project が発表した。

Pew が発表した最新の調査結果によれば、米国人の47%が自宅で高速接続を利用しているという。高速接続の利用率は、2006年初めには42%、2005年には30%だった。ブロードバンドを導入した家庭の増加率は、2005年初めから2006年初めにかけては比較的高かったが、2006年から2007年にかけては、ここ数年で最低となっている。

Pew の調査専門家で、この調査報告書の共同執筆者でもある Aaron Smith 氏によれば、2005年から2006年の増加率の高さは、電話会社やケーブル会社が2005年に料金を大幅に値下げしたためだという。

過去の Pew の調査結果でも同じだったが、地方の高速接続の普及率は、都市や都市郊外に比べて低くなっている。都市部では52%、都市郊外では49%が高速接続を利用しているのに対して、地方の普及率は、31%にとどまっている。

地方では、全般的なインターネットの利用率も、全国平均を下回る。自宅、職場、図書館などのすべての利用場所を合わせたインターネットの平均の利用率は、全米が71%なのに対し地方は60%だ。
「地方のブロードバンド普及には、ネットワークの可用性と年齢構成という2つの難題が立ちふさがっている。地方に住む人は、高年齢で、インターネット利用に消極的な傾向があり、したがって、家庭への高速接続の導入に対する興味も低い。また、一部の地方では、家庭にブロードバンド接続を提供するインフラが整っていないという現状もある」と Smith 氏は述べている。

年齢間でも、ブロードバンド普及率に大きな差がある。Pew によると、18歳から29歳までの層では、63%が家庭でブロードバンド接続を利用している。30歳から49歳までの層は、59%とわずかな差でこれに続いているが、50歳から64歳までの層になると40%にまで低下する。65歳以上では利用率は15%だ。