3Com、22億ドルの自社売却により株式非公開会社に
ネットワーク製品ベンダー 3Com は9月28日、同社を投資会社 Bain Capital Partners が22億ドルで買収すると発表した。3Com は柔軟性を多少なりとも獲得するため、以前から株式非公開化を求めていたが、これが実現する格好だ。
買収手続きは、株主および規制当局による承認を受けた後、2008年第1四半期に完了する見通しだ。買収額は 3Com 株1株につき現金5.30ドルとなっており、9月27日の 3Com 株終値に対して44%のプレミアムを乗せた計算になる。
3Com 社長兼 CEO の Edgar Masri 氏は、同日午前に行なった投資家たちとの電話会見の中で次のように述べた。「企業の立場から見ると、株式非公開会社になることで、株式公開会社であり続けるための厳しい要求に縛られず、より柔軟に事業計画を実行できるようになる」
「株式公開会社のように四半期単位で強い集中を求められることなく、われわれは株式非公開会社として、当社の長期戦略的目標により集中できる。経営陣は、株価への短期的な影響を心配せずに、明快な決断を行なえる」
また Masri 氏によると、Bain による買収の一環として、中国のネットワーク製品ベンダー Huawei Technology も 3Com の少数株主となり、商業的および戦略的パートナーになるという。
電話会見では Huawei が受け持つ役割の詳細は明らかにならなかった。3Com は数週間以内に、Huawei 関与の詳細を含む書類を米証券取引委員会 (SEC) に提出する予定だ。
なお 3Com と Huawei は、以前にも関係を持っていた。両社は2003年、競合大手 Cisco に価格引き下げで対抗しようと、合弁会社 Huawei-3Com (H3C) を立ち上げ、後に 3Com が H3C を完全子会社化した経緯がある。
Masri 氏によると、3Com は1年以上前から株式非公開化を検討しており、多数の選択肢を調べた後、取締役会が全員一致で Bain の買収案を受け入れ、株主たちに提案することを承認したという。
サイトM&A