フューチャー、全日食チェーン IT システムをメインフレームから Solaris と Oracle に
ボランタリーチェーン(VC)大手の全日食チェーンの本部機能を担う全日本食品は2007年8月8日、 IT コンサルティングのフューチャーアーキテクト(旧フューチャーシステムコンサルティング)と共同で、商品供給、物流、リテールサポート、加盟店などを含む IT システム「HEART ONE」を構築した、と発表した。
今回テスト稼動を開始したのは、本部・協同組合・店舗を結ぶ基盤ネットワークと情報系システムで、在庫管理機能を強化して、各加盟店の在庫データを基に推計できるようにした。
全日食チェーン加盟店は全国で約1,800店あまりで、地域別の14の協同組合、本部機能を担う全日本食品を通じた共同仕入れのスケールメリットを生かし、単独チェーンや個人商店では解決困難な問題でも、各地区の協同組合を軸に解決を目指している。
全日本食品では、経営戦略とIT との統合の再検討で、経営トップが率いる BPR プロジェクトチームをフューチャーアーキテクトと結成し、 VC 全体の業務プロセスの再検討、および業務システムの再構築プロジェクトを2005年から開始した。
これまで、システムベンダーへの依存度が強く保守費用が高いメインフレームベースのシステムを利用していたが、加盟店・協同組合・本部が消費者のニーズ活用するのが難しかった。
そこで、オープンシステムアーキテクチャーをベースにした新システム、 HEART ONE を構築した。
HEART ONE は、 Sun「Solaris 10」を中心とした Unix サーバー群で構成、ミドルウェアにはフューチャーの Java ベースフレームワーク技術であるリアルタイムフレームワークアーキテクチャを用いたアプリケーションサーバー、 DB は「Oracle Real Application Clusters 10g」(Oracle 10g RAC)。負荷分散と並列処理を行い、大量データ処理の高速化と無停止運用(計画停止を除く)を実現している。
なお、Solaris 10、StorageTek QFS と Oracle 10g RAC の組み合わせは、日本初の導入事例とのこと。
全日本食品では、今後も物流システムなどの基幹系システム全体を刷新、 2008年春には請求データの電子化までを計画している。